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2009年4月24日 (金)

羽田空港に鳥探知レーダー設置へ、バードストライク対策で

 

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20090423-OYT1T00576.htm?from=main6

 航空機のエンジンが鳥を吸い込み、最悪の場合、墜落の恐れもある「バードストライク」(鳥衝突)の被害を食い止めようと、国土交通省は今年度中に、羽田空港に鳥の群れを探知する専用レーダーを設置する方針を決めた。

 鳥衝突が原因とされる米国のUSエアウェイズ機のハドソン川不時着事故(今年1月)を受けての緊急対策。また、鳥の習性に合った対策を講じるた め、機体に衝突した鳥の肉片などをDNA鑑定して鳥の種類を特定する調査にも乗り出す。いずれも国内初の試みで、航空関係者は効果のほどを注目している。

 国交省によると、昨年中に国内空港で起きた鳥衝突被害は約1240件。このうち、羽田空港は135件で全国トップだった。同空港では、建設中の4 本目のD滑走路が来年10月に供用開始となり、年間離着陸回数が約30万3000回から約40万7000回に増えるため、鳥衝突被害も増えると心配されて いる。

 同省によると、鳥探知レーダーは数キロ先までの鳥の群れをとらえることができるといい、D滑走路を含めた4滑走路の端に、10億円をかけて計5基 設置する予定。レーダーでとらえた鳥の群れの情報は、管制官や航空機の機長、空港の巡回担当者らに伝え、離陸を遅らせたり、鳥を空砲で追い払ったりして被 害を防ぐ。

 鳥衝突被害の約4割は、肉眼で鳥の群れを確認しにくい夜間に発生していることから、レーダーによる鳥衝突対策に期待する関係者は多く、同省では、実効性が確認できれば全国の空港に展開したい考え。

 DNA鑑定による調査は、鳥衝突に遭った機体から鳥の肉片や血液、羽などを採取して鳥の種類を特定するもの。鳥が飛来する時間帯や餌となる動植物 は鳥の種類によって異なり、空港から鳥を排除するには、被害を招く鳥の種類の特定が欠かせない。しかし、これまでは、鳥衝突に遭った機体は航空会社の整備 担当者が肉片などを洗い流してしまったため、国の調査でも鳥衝突事例の約6割が「鳥の種類不明」となっていた。

 国交省「鳥衝突防止対策検討会」委員を務め、羽田空港での鳥衝突に関する調査を続けている環境コンサルタント会社「応用生物」(東京)の橘敏雄代 表は、「レーダーやDNA鑑定は、鳥衝突被害の実態把握には役立つ。ただ、それだけでは被害予防の解決策とはならない。鳥の群れの情報と、地道な空港パト ロールをうまく連携させることが重要ではないか」と話している。(2009年4月24日03時25分  読売新聞)

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