07年中華機炎上、座金付け損ね原因…安全委
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090828-OYT1T00665.htm
那覇空港で2007年8月、中華航空機(ボーイング737―800型機)が爆発炎上した事故で、運輸安全委員会は28日、調査報告書を公表した。
右主翼の可動翼(スラット)の支柱に取り付けるボルトの緩み止め作業中、整備士がワッシャー(座金)を付け損なったためボルトが落ち、燃料タンクに突き刺さって燃料が漏れ出したことが事故原因とした。
作業はボーイング社のサービスレター(技術指示書)に従って行われたが、安全委では、この指示書がボルトの緩み止め作業での注意点について十分に触れていなかったことも指摘、米国と台湾の航空当局に対し、再発防止などを求める安全勧告を行った。
報告書によると、中華航空は07年7月、ボ社の指示書に基づき、ボルトのナットをいったん取り外し、緩み止めを塗って新しいナットと交換した。作 業は手探りで行わなければならない困難な場所にあり、安全委では、「部品の脱落が起きやすい状態だった」(報告書)ため、座金を付け損ねたとみている。
指示書は06年3月に発行され、ボ社はその後、ナットを取り外さなくてもいいよう作業手順を変更していた。このため、安全委は、当初の指示書では、部品の脱落防止などへの配慮が不十分だったことも事故につながったと判断した。
また、ボルトの留め具となるナットの外径は、座金の内側にある支柱の内径より小さかったため、座金が欠落した状態ではボルトが抜け落ちてしまう設計上の問題も、事故の要因として指摘した。ボ社は事故後、脱落防止のため安全ピンを取り付けるなどの設計変更を行っている。
安全委は、米航空当局への安全勧告の中で、航空会社に向けた指示書では、誤作業を防止するため、作業範囲を明確にするなど、ボ社に指導するよう求めた。
事故は07年8月20日、中華航空機が那覇空港の駐機場に停止した直後に発生。乗員乗客165人は無事に脱出し、けが人はなかった。
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