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2009年9月

2009年9月28日 (月)

海自輸送機オーバーラン、水田に突っ込む…下関

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090928-OYT1T00600.htm

 28日正午過ぎ、山口県下関市松屋本町の海上自衛隊小月航空基地で、着陸時に輸送機(YS―11型機)が滑走路(1200メートル)をオーバーランした、と県警に通報があった。

 県警などによると、輸送機はフェンスを突き破り、滑走路から約100メートル離れた敷地外の水田に突っ込んで停止した。けが人はいない。輸送機は海自厚木基地所属。
(2009年9月28日14時20分  読売新聞)

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2009年9月27日 (日)

岐阜県防災課、ヘリ機長に県警の制止伝えず

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090926-OYT1T00208.htm
 北アルプス奥穂高岳で、登山者の救助活動をしていた岐阜県防災ヘリコプター「若鮎(わかあゆ)2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、県防災課が、県警からの再三にわたる出動中止要請を同機の機長だった朝倉仁操縦士(当時57歳)に伝えていなかったことがわかった。

 県が25日、記者会見を開き、詳細な出動経緯を明らかにした。

 武藤鉄弘・総務部長は会見で、同課職員らが現場となった北アルプスの急峻(きゅうしゅん)な岩場「ジャンダルム」や、「ロバの耳」付近の地形などについての知識が乏しかったことも認め、「山岳救助に対する認識が甘かった」と述べた。

 県などによると、事故当日の今月11日午後1時34分、高山市消防本部から県防災航空センターに「奥穂高岳で登山者の男性が心肺停止状態」と通報があり、朝倉操縦士らは出動準備を開始。

 同センターから連絡を受けた県警航空隊が情報を収集した結果、「(現場の標高や地形から)山岳地帯の救助経験がない県防災ヘリでは無理」と判断し、同隊員が若鮎2に乗り込んだ朝倉操縦士に「離陸を待つように」と依頼した。

 しかし、朝倉操縦士は「消防から正式な救助要請が来ているので待てない」として、午後2時9分頃、出動した。

 県警はその後も同センターや県防災課に対し、「危険な現場なので県警に対応させてほしい」「県防災ヘリを戻せ」などと再三、連絡したが、同課は朝倉操縦士に県警の警告を伝えないまま、「すでに離陸しているので、朝倉操縦士が判断する」と回答していた。

 また県は、ヘリの出動後、朝倉操縦士に救助が可能かどうかを問い合わせることもなかったという。

 県警からの警告を操縦士に伝えていなかったことについて、武藤部長は「通常、県警との協議は事前に行っており、出動後に県警から中止要請を受けた今回のようなケースは珍しい。(防災課職員らは)現場の判断に任せっきりだったと思う」と説明した。県は、県警との協議が適切だったかどうか、引き続き調査する方針。
(2009年9月26日09時21分  読売新聞)

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2009年9月20日 (日)

ブルーインパルス飛行で動物パニック…浜松

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090919-OYT1T01203.htm
 浜名湖立体花博の開幕を盛り上げるため、航空自衛隊ブルーインパルスが開幕前日の18日と19日に会場上空を飛行した際、隣接する浜松市動物園の動物の一部がパニック状態になった。

 動物園によると、18日正午前後にブルーインパルスが園の上空を試験飛行した際、ゴリラ1頭とオランウータン2頭がごう音でおびえ、獣舎に閉じこもった。食事ものどを通らず、19日朝の編隊飛行後も屋外に出なかったため、終日観覧を見合わせた。ダチョウとシマウマは、19日の飛行の際、運動場を突然走り回るなどパニック状態になった。

 渥美雄一園長は「花博は市を挙げてのイベントだから、アクロバット飛行が駄目だとは言わないが、一部の動物は神経質なので配慮がほしかった」と語り、花博を主催する浜松モザイカルチャー世界博2009協会に19日に抗議したことを明らかにした。同協会は「情報が錯綜(さくそう)し、飛行時間を誤って伝えてしまった。申し訳ない」と陳謝した。
(2009年9月20日11時05分  読売新聞)

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「実績ない」県警の反対押し切り出動…墜落の防災ヘリ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090919-OYT1T00478.htm
 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で、登山者の救助活動をしていた県防災ヘリコプター「若鮎(あゆ)2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、県防災航空隊が県警航空隊の反対を押し切って出動していたことが、県と県警の調べでわかった。

 県警などによると、県防災航空隊は、11日午後1時半頃、長野県から「心肺停止の遭難者がいる」との119番通報の転送を受け、出動準備を開始した。

 一方、県側から連絡を受けた県警航空隊は、県防災ヘリが北アルプスでの出動実績がないことなどから、県警ヘリを出動させる準備を行った。

 当日、県警航空隊の隊長と副隊長は愛知県の会議に出席していたが、救助要請の知らせを聞き、愛知県警ヘリで県警航空隊に急行。県側には待機するよう要請したが、県側は「待てない」と回答。同2時10分頃、単独で若鮎2を出動させたという。県警は若鮎2出動後も、救助機の交代を県に要請したという。

 横井篤副知事は18日、県警の反対を押し切って出動したことに関して、「職員の記憶が微妙なところもある。職員から話を聞き、なるべく早い時期に発表したい」と答えた。

 県警は19日、ヘリの運航を管理している県防災課と県防災航空センターを業務上過失致死容疑で捜索した。
(2009年9月19日11時46分  読売新聞)

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2009年9月14日 (月)

3000m級で初救助…ヘリ墜落、経験不足影響か

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090914-OYT1T01023.htm?from=main5
 乗員3人が死亡した岐阜県防災ヘリコプターの墜落事故で、墜落した「若鮎(あゆ)2」と、操縦士の朝倉仁さん(57)が、標高3000メートル級の北アルプスで遭難者をつり上げる山岳救助を行った実績がないことが、県の調べでわかった。 県によると、若鮎2は1997年の運航開始以来、38件の山岳救助を実施。このうち2008年10月、乗鞍岳の2700メートル地点に着陸したのが、最も標高が高い場所での作業で、朝倉さんは副操縦士として参加した。制御が難しいホバリング(空中停止)での救助活動では、07年11月に恵那山の2100メートルで実施したのが最も高い地点だった。この時は朝倉さんが操縦士を務めた。

 標高が高い山岳地帯では、急激な天候の変化や気圧の低下でヘリの性能が下がるため、豊富な経験が必要とされる。県は今回、同機を出動させたことが適切だったか判断するため、出動経緯の把握を急いでいる。

 一方、岐阜県警は14日、事故後初めて捜査員約10人が墜落現場に下りて機体の残骸(ざんがい)などの実況見分を行った。この日は事故当時、現場で救助活動をしていた高山署員も同行し、墜落状況を説明した。

 また、運輸安全委員会も、事故機が接触した「ロバの耳」といわれる岩場を上空から視察。調査官らは岩場に約15メートルまで近づいたが、事故の痕跡は確認できなかったという。
(2009年9月14日21時31分  読売新聞)

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北アの墜落ヘリ、後退し岩に接触?

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090913-OYT1T00953.htm

 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で県防災ヘリコプター「若鮎(あゆ)2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、ヘリが不自然な形で後退したことが、テールローター(後部回転翼)など機体の破損を引き起こし、墜落につながった可能性が高いことが13日、国の運輸安全委員会の調べでわかった。

 ヘリは突風にあおられて後退したとみられ、運輸安全委は、機体の破損状況などを詳しく調べる方針だ。

 運輸安全委の調査官3人は13日、墜落現場一帯を上空から視察した。坂本和紀調査官は、墜落現場に残された事故機のテールローターの羽根が一部欠けていた点を指摘。「前方や左右にある障害物と接触した場合、メーンローター(主回転翼)を損傷するのが一般的。今回はテールローターが破損しており、機体が何らかの理由で後退し、岩に接触したとみられる」との見解を示した。

 また、ヘリの乗員が、地上の隊員とヘリを結んでいたワイヤを墜落直前に外した可能性があることも、運輸安全委の調査でわかった。ヘリ側でワイヤを故意に外したか、切った可能性が確認できたという。 
(2009年9月14日03時07分  読売新聞)

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2009年9月12日 (土)

北アのヘリ墜落、濃いガスが操縦に影響か

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090912-OYT1T00802.htm?from=main4
 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で同県防災ヘリコプター「若鮎2」が墜落し、乗員3人が死亡した事故で、遭難者の救助中、現場上空に濃いガスが発生していたことが12日、わかった。

運輸安全委員会などは、気象の急激な変化が事故につながった可能性もあるとみて慎重に調べている。

 県防災課によると、県防災航空隊隊員の土田裕次さん(36)が救助のため、ヘリから高山署員と一緒にロープで降下。遭難者の遺体をつり上げる作業に取りかかろうとした際、ガスの塊がホバリング中のヘリの近くを通過するのを目撃したという。
土田さんはヘリからのロープをつなぐ留め具を遭難者と自分に取り付けたところ、ロープが激しく左右に揺れ、ヘリが横向きになっていたように見えたため、巻き込まれないように、慌てて留め具を切り離したという。

 土田さんは「留め具を外した直後、上空で『バン』という音がした」とも話しているという。

 墜落現場は、登山者に人気の「ジャンダルム」(3163メートル)近くの「ロバの耳」と呼ばれる岩峰。

(2009年9月12日23時18分  読売新聞)

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救助の隊員、とっさにフック外す

救助の隊員、とっさにフック外す=墜落直前、ロープ揺れ-3人死亡の防災ヘリ事故

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200909/2009091200285&rel=j&g=soc

  岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳で遭難救助中の県防災ヘリコプターが墜落、3人が死亡した事故で、救助活動に当たっていた県防災航空隊の土田裕次さん (36)が墜落直前、ヘリと自分たちをつなぐロープのフックをとっさの判断で外し、難を逃れていたことが12日、分かった。荻山博之県防災課長が同日午 後、同県各務原市の県防災航空センターで会見し、土田さんの証言を基に事故当時の様子を説明した。
 同課長によると、土田さんは登山中に倒れ死亡 した冨沢薫さん(64)=宮城県山元町=救助のため、高山署員と共にヘリからロープで降下、搬送準備が完了したため、ヘリに無線で連絡した。ヘリが現場上 空に移動し、空中静止(ホバリング)中、近くをガスの塊が通り過ぎるのを目撃した。
 その後、ヘリからのロープをつなぐフックを自分に取り付け、 冨沢さん救出のため最終点検をしていたところ、上空で「バン」という音がした。白いもやではっきりしなかったが、ヘリが横向きになっていたように見え、 ロープが左右に大きく揺れたため、とっさにフックを外したという。
 墜落の様子は、はっきりと見ていないという。(2009/09/12-19:19)


「岩肌から赤い炎」=天候、目まぐるしく変化-目撃の夫妻証言・防災ヘリ墜落

  「岩肌から赤い炎のようなものが上がっているのが見えた」。岐阜県高山市の北アルプスで11日に起きた県防災ヘリコプター墜落事故。登山中に、たまたま現 場に居合わせた愛知県大府市の会社員指原英二さん(39)、陽子(46)さん夫妻は下山後の12日、発生時の状況を振り返った。当時付近の天候は、晴れ間 に急に霧が立ち込めるなど「目まぐるしく変わっていた」という。
 指原さん夫妻は11日早朝、奥穂高岳を目指し山荘を出発。午後、ジャンダルム (3163メートル)付近に差しかかった際、防災ヘリが旋回しているのを目撃した。滑落事故の救助作業だと思っていたら、数時間後には別のヘリが次々と集 結し、計4機が周辺を旋回していたという。
 「これはかなり大規模な事故。ただごとではないな」。陽子さんが周囲を見渡すと「ジャンダルムの岩肌から赤い炎のようなものが上がっているのが見えた」という。
  それでも「遭難者がヘリに自分の位置を知らせるために何かを燃やしているのだろう」と思い、別の山荘に戻ったところで、墜落事故があったことを知った。陽 子さんは「まさかヘリコプターが落ちているとは思わなかった」と驚いた様子で話した。(2009/09/12-17:49)


「ヘリ、頭上斜めに落ちた」=山荘従業員が目撃、顔青ざめ-北ア・奥穂高墜落事故

 「自分の頭上をヘリが斜めに落ちてきた」。北アルプス奥穂高岳で11日、遭難者の救助中に岐阜県防災ヘリコプターが墜落した事故。現場に居合わせ、墜落の瞬間を目の当たりにした山小屋の従業員は青ざめた顔で話したという。
 墜落現場から約1キロと最も近い山小屋「穂高岳山荘」を経営する今田英雄さん(66)によると、事故前に県警から「防災ヘリの様子を見に行ってほしい」と要請があり、山荘の支配人(37)と従業員(30)が遭難現場に向かった。
 現場の「ジャンダルム」は、奥穂高と西穂高を結ぶ標高3163メートルの稜線(りょうせん)。険しい岩場が続く難所中の難所で、滑落などの遭難が多発し、過去にはヘリの墜落事故も。この日は晴天で視界が良く、救助に当たるヘリが山荘から見えたという。
  しかし、午後3時20分ごろ、突如としてガスが発生、ヘリが飲み込まれ、稜線ともども今田さんの視界から消えた。約5分後には「言葉では言い表せないよう な異常な音がし、一瞬大きな音がした後、プロペラ音が聞こえなくなった」と、今田さんは振り返った。(2009/09/11-19:52)

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岐阜・高山の防災ヘリ墜落:収容作業中「バーン」 地上の隊員青ざめ

 ◇「自分の方に落下」

 山岳救助に向かった3人が死亡する惨事となった北アルプス奥穂高岳・通称「ロバの耳」で起きた岐阜県防災ヘリ「若鮎2号」の墜落事故。直前にヘリ を降りた県警の山岳警備隊員は「ヘリが自分に向かって落ちてきて体を伏せた」と事故の瞬間の恐怖を語ったという。突然の悲報を知らされた隊員の家族たち は、一様に「今朝まで元気だったのに、信じられない」と肩を落とし、現地へと向かった。【山田尚弘、石山絵歩、飯田和樹、岡大介】

 県警高山署の下平春樹署長によると、現場に到着したヘリから山岳警備隊員の志村哲巡査長(36)ら2人が降り、急病の冨沢薫さん(64)を遺体で 発見。志村さんらは遺体を梱包(こんぽう)し、無線でヘリに発見地点まで来るよう要請。到着したヘリはロープを降ろし20~30メートル上空でホバリン グ。志村さんらがロープに遺体の収容袋をくくりつけようとしていた時、突然「バーン」という乾いた音が響いた。「ロープが吹き飛ばされ、見上げるとヘリが 自分の方に向かって落ちてきた。『危ない』と思い、2人で体を伏せた」。ヘリは岩場を滑るように落ちていったという。

 一方、現場近くの山荘従業員の男性も冨沢さんの救助に参加していて事故を目撃した。「爆発するような音が聞こえた。何とも表現しづらい音だが、聞 いた瞬間に『ああ、落ちたな』と分かった。振り向くとヘリコプターは炎上していた」。冨沢さん以外の登山パーティーの9人は救助作業の現場の10メートル ほど下で見ており、ショックを受けた様子だったという。男性によると、この日は晴天だったが、時折、まばらに霧が現れた。事故当時の現場も霧が出ていたと いう。

 11日夜に会見した河合正明・県危機管理統括監は「無理な飛行をしたとは思えない。情報がつかめない」と話した。さらに、操縦士の朝倉さんと整備 士の三好さんについて、「ミスの許されない仕事で、強い正義感を持って危険な業務に取り組んでいた。勤務態度もまじめだった」と振り返り、「大変残念な事 故だと思う。搭乗されていた3人の方には心からお悔やみを申し上げたい」と話した。

 3人の上司の河村就也・防災航空センター長は「ベテランの朝倉さんは仕事熱心で責任感にあふれていた。三好さんは、チームワークを構築するのがう まく、明るい性格。後藤さんは、明るく温厚な性格で、人望が厚かった」と3人の人柄を語り、「素晴らしい人材を失い、ショックが大きい」と悔やんだ。

 岐阜県防災課などによると、11日午後1時33分、仲間と10人で登山をしていた冨沢さんが遭難したと同じパーティーのメンバーが長野県松本広域 消防局に通報。岐阜県高山市消防本部を通じ、県防災航空センターに連絡があった。同県各務原市を離陸した防災ヘリ「若鮎2号」から午後3時5分、後藤敦副 隊長が「地上に降りた隊員と一緒にこれから活動する」と県防災航空センターに連絡。同3時半ごろ、県警高山署から、県防災課に墜落の通報が入ったという。

 ◇遺族ら悲しみをこらえ現地へ

 死亡した隊員の家族や知人らは突然の悲報に声を失った。

 県防災航空センター副隊長、後藤敦さん(34)は93年に羽島郡消防事務組合に入り、消防士や救助隊員として経験を積み、今春から副隊長を務めていた。

 岐阜県笠松町の後藤さんの自宅では、祖母の美智子さん(82)が「今朝も7時ごろ、出かけていった。『おばあちゃん、行ってきます』と聞いたのが最後の言葉だった。花を供えてやります」と悲しそうに話した。

 近所の人の話では、後藤さんは高校時代は野球部の投手として活躍。小学生の長男長女をかわいがり、長男とはよくキャッチボールをしていたという。 後藤さんと一緒に野球のコーチをしている鷲見靖国さん(66)は「あっちゃんが生まれた時から知っている。自分の息子を亡くしたみたい」と肩を落とした。

 三好秀穂さん(47)は川崎重工業で14年半勤め、96年から岐阜県庁入りしてヘリコプター整備士となった。同県各務原市の自宅では妻いつみさん (49)が「主人も普段から言っていたので、危険な仕事であることは分かっていた。今朝、私の方が先に仕事に出たので『行ってくるね』とあいさつしたのが 最後です」と悲しみをこらえるように話した後、車に乗り込み、高山に向かった。

 また操縦士の朝倉仁さん(57)は航空自衛隊3等空佐から97年に県庁入りし、ヘリの操縦士を務めた。各務原市の自宅近くの住民らによると、地元 の行事や清掃活動などに積極的に参加していたという。近所の女性は「何でもきちんとした人だった。まだ信じられない」と話した。【子林光和、小林哲夫、高 橋恵子】

 ◇機体以外に原因か--航空評論家の青木謙知さんの話

 何らかの原因で操縦士が稜線(りょうせん)とテールローター(回転尾翼)の位置を誤ったのではないか。テールローターは回転している時は肉眼では 見にくく、1、2センチの操作の違いで事故につながることがある。今回はヘリコプターから無事に救助隊員が降ろされており、それまで機体に異常があったと は考えにくい。

 ◇NHK名古屋、番組内容変更

 北アルプス奥穂高岳で起きた岐阜県の防災ヘリコプター墜落事故を受け、NHK名古屋放送局(名古屋市東区)は11日、同日午後8時からの番組「金とく」で放送予定だった「北アルプス大縦走(後編)」を変更したと発表した。【稲垣衆史】

 ◇過去のヘリ事故、74年以降は407件--運輸安全委

 国土交通省運輸安全委員会によると、同委が調べたヘリコプターの事故は1974年以降407件あるが、「山岳遭難救助中の防災ヘリの死亡墜落事故 は、聞いたことがない」と言う。運輸安全委は、防災ヘリに限定した統計がなく断定はできないとしながらも「少なくともここ近年はない」と話す。

 防災ヘリが絡んだ死亡事故は、訓練中に隊員が墜落した事故がほとんど。山岳救助中の事故としては▽99年7月に奈良県十津川村で、遭難者捜索中の 同県防災ヘリが不時着に失敗し大破、乗員2人が負傷▽02年1月に長野県大町市で、遭難者救出作業中の山岳レスキュー会社の社長が、同社ヘリにつり下げた 救助用ネットから転落死--がある。【黒尾透】

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 ◆防災ヘリ墜落事故の流れ◆

13時33分 地元消防から県防災航空隊に出動要請

14時 9分 若鮎2号が離陸

15時 5分 後藤副隊長から「これから地上に降りて隊員と活動する」と県防災航空センターに一報。以後、通信が途絶える

15時22分 現場の山岳警備隊員から「ヘリが岩盤に当たって墜落した」と高山署に無線連絡

15時30分 県防災航空センターから墜落の一報

16時10分 岐阜県警にヘリ墜落事故警備本部設置

16時30分 若鮎2号の墜落炎上を確認

17時25分 県警のヘリが2遺体を収容

17時42分 1遺体を収容

18時25分 遺体を高山署に搬送

 ◆最近の主なヘリコプター事故◆

00年 9月 富山県立山町の場外離着陸場で墜落、2人が死亡

00年11月 岐阜県高鷲村(現・郡上市)のゴルフ場に墜落、2人死亡

01年 5月 三重県桑名市上空で軽飛行機と衝突、双方の計6人が死亡

02年 5月 松山空港南西海上で墜落、2人死亡

02年 7月 大阪府八尾空港で墜落、2人死亡

04年 3月 長野県南木曽町で交通事故取材中、送電線に接触して墜落、4人死亡

04年12月 佐賀県の佐賀空港に空輸中、海上に墜落、3人死亡

05年 5月 静岡市清水区で県警所属機が渋滞調査中に墜落、5人死亡

07年 6月 岐阜県中津川市の山中で燃料切れのため墜落、1人死亡

07年10月 堺市で体験飛行中に墜落、2人死亡

08年 7月 青森県大間町海上で取材中に墜落、4人死亡

09年 7月 兵庫県但馬空港に向かう途中の山中に墜落、2人死亡

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北ア・ヘリ墜落:霧が急に発生 岩場覆い視界悪化

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20090912k0000e040046000c.html
防災ヘリコプターが墜落した現場に残る機体のテール部分=岐阜県高山市で2009年9月11日午後、本社ヘリから大西岳彦撮影
防災ヘリコプターが墜落した現場に残る機体のテール部分=岐阜県高山市で2009年9月11日午後、本社ヘリから大西岳彦撮影

 岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳(3190メートル)で11日、県防災ヘリコプター「若鮎2号」が墜落し、搭乗員3人が死亡した事故で12日、 現場付近で当時、急に霧が発生していたことが複数の目撃者の証言で分かった。県警捜査本部は、天候の急激な変化が事故につながった可能性もあるとみて慎重 に捜査を進めている。

 県警高山署によると、ヘリは事故当時、20~30メートル上空からロープを垂らしてホバリング(空中静止)。地上では山岳警備隊員らが病死した登山者の遺体の収容袋をロープで結ぶ作業をしていた。

 約1キロ離れた「穂高岳山荘」から作業を見守っていた同山荘オーナー、今田英雄さん(66)によると、霧がかかって作業が見えなくなり、心配に なって現場にいた支配人に携帯電話をかけた直後に事故が起きたという。今田さんは「普段から急にガスが出ることがある。通常はガスが出たらヘリは上空で待 機するが、遺体をつり上げようとした瞬間にガスが出たので離れるわけにいかなかったのだろうか」と推測する。

 地上で収容作業を手伝っていた山荘従業員の男性も「作業中も時折、ガスが岩場を覆って視界が悪くなった」と証言した。

 ◇国交省安全委、聞き取り開始

 一方、国土交通省運輸安全委員会の調査官3人は12日午前10時過ぎ、県警高山署に到着。現場付近の事故直後の映像の解析や、現場にいた県警山岳警備隊員からの聞き取りを始めた。

 悪天候のため、現地調査は延期される見通し。県警は同日午後、操縦士の朝倉仁さん(57)の遺体を司法解剖し、体調に異変がなかったか調べる。【秋山信一、岡大介】

毎日新聞 2009年9月12日 11時55分(最終更新 9月12日 12時56分)

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岐阜県防災ヘリ墜落、3人死亡 北アルプス奥穂高岳

http://www.asahi.com/national/update/0911/NGY200909110008.html
 11日午後3時20分ごろ、岐阜県高山市の北アルプス奥穂高岳(標高3190メートル)近くの山中で、遭難者の救助に向かった同県防災ヘリコプター「若鮎(わかあゆ)2」が墜落し、操縦士ら乗組員3人が死亡した。地上に降りた高山署員と救助隊員が遭難者をロープで上空のヘリに引き上げるための準備作業をしていた時で、後部のローター(回転翼)が急斜面の山肌に接触してバランスを崩したとみられる。機体は大破し、一部は炎上した。

 ヘリはベル412EP型で、墜落現場は「ジャンダルム」(標高3163メートル)に隣接する岩峰「ロバの耳」。国土交通省関係者は「後部ローターは機体の姿勢を維持する役割があり、壊れて機体がくるくると回転しはじめ、制御不能になったのではないか」とみている。運輸安全委員会は同日、事故原因を調査するため、調査員3人を現地に向かわせた。県警は業務上過失致死容疑を視野に捜査を始めた。

 亡くなったのは県防災航空隊の操縦士朝倉仁さん(57)=同県各務原市東山4丁目=、整備士三好秀穂さん(47)=同市鵜沼川崎町=、副隊長後藤敦さん(34)=同県笠松町田代=で、3人の遺体は同県警のヘリが収容した。現場付近で登山中に心肺停止状態になったとして救助を待っていた冨沢薫さん(64)=宮城県山元町=も事故後、死亡が確認された。

 岐阜県警などによると、ジャンダルム付近にいた10人の登山グループから午後1時35分ごろに「1人が動かなくなった」との通報が入り、各務原市の航空自衛隊岐阜基地からヘリが現地に向かった。同3時5分に副隊長の後藤さんから「地上に降りた隊員とこれから活動する」と県に無線連絡があった。地上に降りた署員らが、ホバリング(空中停止)するヘリから垂らしたロープで冨沢さんを引き上げる作業をしていたという。

 機体は操縦席部分と尾部に破断され、約400メートル下のがけに落ちた操縦席部分は大破して燃え上がった。ちぎれた形の尾部は険しい岩壁部分にぶら下がった。

 高山署によると、現場は当時は無風で、視界はおおむね良好だったという。

 同県によると、操縦士の朝倉さんは97年3月に航空自衛隊を退職し、同4月に県職員となった。空自に入隊した71年からの飛行時間は5740時間だったという。

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